審美歯科ってなに?
歯と唇、歯ぐきのバランス、および笑顔の基準
SMILE LINE スマイルライン
スマイルラインとは、笑顔をつくった時に見える下唇のラインと上あごの前歯の先端を横に結んだラインのこと。
前歯のラインは、下唇と平行なやや凸型の彎曲を呈します。これらの前歯の彎曲したラインが、下唇の内側の乾いた部分と塗れた部分の境界線ラインに沿っていると美しいと言われています。
歯列不正が存在する場合や高齢になるにしたがって前歯が咬耗(磨耗)してくると前歯のラインは、凸型形態を呈しなくなります。
Rest insisal position レスト インサイザル ポジション
上下の歯をかみあわさず、下あごがリラックスした状態での前歯と唇の関係を評価します。
下あごがリラックスした状態では、前歯の先端1/3が、見える状態が理想的です。その程度は、口唇の高さ、年齢、性別により1〜5ミリの差が存在します。
- 安静時の前歯の露出量は、男性より女性のほうが、露出している(1,92ミリ対して3,40ミリ)。
- 若年者に対して老年者のほうが、露出量は少ない(3.37ミリに対して1.27ミリ)
- 年配の方は、前歯のエナメル質が削れてなくなっている方が多い。
性別や年齢、骨格で、異なる為、あなたに適したポジションを考えなくてはなりません。
Average smile アベレージスマイル
スマイル時の前歯と歯ぐきの露出量を評価します。
口唇の動きに伴い、前歯の露出量は75〜100%。歯間乳頭(歯と歯の間の三角形の歯ぐき)も露出します。
「感じのよいスマイル」は、「上あごの歯が完全に露出し、約1ミリ程度歯ぐきが見えるもの」と定義されています。歯ぐきの露出量は、2〜3ミリ以内であれば、審美的には問題はないとされます。3ミリ以上は、ガミースマイルとなります。
Gamy smile ガミースマイル
笑顔の時に、前歯の歯ぐきが過剰(3〜4ミリ以上)に露出するスマイルを言います。
世界的に嫌われているスマイルです。
ガミースマイルの原因は、さまざまですが、下記の原因が考えられます。
- 短い上の唇
- 唇の過剰な運動
- 歯の萌出方向の異常
- 前歯の付け根の骨(歯槽骨)の異常
- 上あごの過剰な発育
原因に応じた治療が必要ですので、正確な診断が必須となります。
GUM LINE ガムライン
前歯の歯頸部(歯肉が歯と接触する部分)を結んだラインのこと。詳細は省きますが決められた曲線を描いて、かつ下唇と平行になっていること、左右対称となっていることが理想的です。このガムラインで歯の縦横比率やスマイルが決まってくるので、歯や顔面のプロポーションにとっては重要なラインとなります。
Smile width スマイル ウイズ
スマイルをしたときに前歯とともに小臼歯まで見えるときに美しいとされます。
57%の方が、第二小臼歯まで見えるスマイルウイズを持っています。また20%が、さらに奥歯の大臼歯まで見えると報告されています。
小臼歯の形態や修復する材料を選択する場合、矯正治療を開始する場合に特に重要な評価となります。
Hollywood smile ハリウッドスマイル
上記のスマイルウイズと関係します。正面から笑顔を見たときのお口の両側に出来る空間を指します。別の言い方をすると、スマイルをしたときの口角(唇の横の付け根)と歯(小臼歯や大臼歯の側面)との間隙を評価します。このスペースを口唇のコリドーとも呼びます。
このスペースが適正の場合、ハリウッドスマイルと言われています。ハリウッドスターのスマイルが、ほぼこれにあたることから、言われるようになったと言われています。
このスペースが大きいとネガティブスペースと言われ、世界的に嫌われています。消極的な人、やや暗い人と勘違いされてしまうと言われています。
奥歯(小臼歯、大臼歯)を修復する場合や矯正治療を開始するときに非常に重要な評価になります。
審美歯科から要求される笑顔のタイプとその治療ガイドライン
- リラックス時の前歯の露出量:年齢、および性別により1〜5ミリの歯の露出量を確立する。
- 前歯の先端を横に結んだラインは、下唇と平行な凸型彎曲となる。
- 下唇のドライウエットラインの内側に前歯の先端が、くるように確立する。
- ガミースマイルを、原因に即して修正する。
- スマイルウイズ:スマイルしたときの歯の見える本数をコントロールする。小臼歯まで最低限見えるようにする。
- 口唇のコリドー:口角(唇の付け根)と両脇の歯との間に出来るスペースをコントロールする。スペースが適度になるように。ハリウッドスマイルを確立する。